道草・イヌの行動の不思議

(2)イヌが他の動物の糞や遺骸、ときにはタバコの吸い殻に
しつこく体を擦り付けるのはナゼ?

タバコの吸い殻に含まれる、ある行動を誘発する物質について・・・
本文で「たまたまタバコの吸い殻に、イヌが体を擦り付けるような行動を引き起こす物質が含まれるのではないか」と書きましたが、この根拠を説明しておきます。
動物の示す定型的な行動(その種のどの個体にも見られる普遍的な行動)は、特定の外部刺激に対する条件反射のようなものです。
梅干し
ヨダレが出てきましたね・・・
このように行動の中には刺激を受けると「止めようにも止められない」行動があるのがわかります。
上記の例は、人間の経験的な学習による例ですが、動物の行動の多くは本能的にプログラムされていて、外部の刺激(=梅干し)に対して決まった行動(=ヨダレを垂らす)が現れるということがよく起こります。
さらに、キツネの糞便をネズミに嗅がせると、ネズミが逃避行動を示すことが知られています。そこで、キツネの糞便中に含まれる物質を抽出して一種類ずつ、ネズミに嗅がせてみたのですね。そうしたら、トリエチルチアゾリンという物質を嗅がせたときにだけ、ネズミが逃避行動を示すことがわかりました。実はネズミは「キツネの糞」という全体に反応していたのでは無く、トリエチルチアゾリンという特定の物質の匂いに反応していたことが解ったのです。従って、ネズミの大好物のチーズにこの恐怖物質トリエチルチアゾリンを塗って与えると、ネズミはチーズを食べるどころか、逃げまどうわけです。そして、これはネズミにとっては「止めようにも止められない」行動なのです。

これと同じ様なことを、タバコの吸い殻にあてはめてみると、たまたま吸い殻がイヌが体を擦り付けたくなるような特定の物質を含んでいたために、本文で紹介した様な行動が現れるのではないか・・・と考えられるのです。

2002年1月
「ソロモン王の指輪」管理人
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