イヌの起源・その2・イヌの起源はオオカミ?

はじめに・・・ ナゼ、イヌの起源なんぞ調べたかって?それは、私がイヌと話をしたいから。彼らは、私達を遊びに誘うし、イヤなことをされれば怒ります。イヌたちは、「〜したい!」「〜はキライ!」という明確な要求を持っていますが、時に私達人間は彼らの要求を誤解してしまいます。満たされぬ要求にストレスを溜めるイヌもいるだろうし、彼らが気にも止めないような要求を想定して、やっきになって応えようと頑張ってしまう人間もいるでしょう。私は、イヌの起源を知ることで、彼らの行動の起源、幸せの起源を考えてみたいと思うのです。彼らの期待に満ちた瞳に、応えてみたいと思いませんか?そのために、相手が何を求めているのか想像する力を養いたいというのが、一つの理由です。そんなわけで、屁理屈を糧にして生きている私には、なんとも魅力的な題材なのです。

このサイトの内容が、皆さんのイヌとの楽しい生活のプラスアルファ、彩りになれば嬉しいです。

イヌの起源はオオカミらしい
というのは、皆さんもご存知のことと思います。イヌの起源として、これまでに論争の的となっていたのは、オオカミ、ジャッカルやコヨーテなどですが、近年の遺伝学的解析の結果から、オオカミがイヌの起源ということは間違いないようです。要するに、オオカミの祖先からジャッカル、コヨーテ、イヌなどが独立して進化したらしいと考えられます。調べていて興味深かったのは、イヌがオオカミの祖先から分岐した後、オオカミとの交雑が頻繁にあったらしい事です。特に、イヌの品種が分岐し始めたであろう頃に(要するに比較的最近)、オオカミとの交雑が疑われる遺伝的痕跡が見つかっていることは、おもしろいですね(下図の水色の矢印)。これが何を意味しているかというと、現在のイヌの品種の中には、オオカミの性質を多く持つ品種と、そうでない品種があるということです。そして、イヌが品種によって多種多様な外見と性格を持つ原因の一つだと考えられます。遠い昔、イヌの祖先は「ヒトに馴れやすく飼いやすい」ことを指標に選択されてきたと考えられていますが(この根拠については次回)、ある程度この性質が固定された後に、もう一度オオカミの血が入り込んだことは、イヌの品種による行動の差を理解する上でも重要なポイントとなるのではないでしょうか。

 上の図は、資料を元に、管理人が勝手に作った系統樹です。未だ真相のはっきりしない部分については、個人的な判断で図式化した部分もあります。今後、修正する可能性もありますので、ご了承ください。特に、イヌの起源については、オオカミの祖先から多元的に発生した(上図の赤いラインが数本あったかもしれない)、あるいは他の種の祖先達と交雑した可能性もあります。例えば、緑色のラインで示したように、イヌの祖先とコヨーテやジャッカルとの間に交雑があった可能性も示唆されていますが、現在、遺伝的にはほとんど無視されています。また、時間的な縮尺については、無視しています(というか、諸説ありすぎて・・・判断つきませんでした・・・)。

 ところで、遺伝学的な手法を用いて、現存するオオカミ、コヨーテとイヌを比較すると、ほとんど違いがありません。人間でいうなら、民族間の違いよりも小さいのだそうです。実際に、これらの種の間で交配は可能ですし、オオカミもコヨーテもイヌの品種の一つといっても過言ではありません。それにしても、チワワからセントバーナードまで、イヌのバリエーションはいったいどこから生まれたのでしょう・・・この話は次回にしたいと思います。お楽しみに。
2002年1月
「ソロモン王の指輪」管理人
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