歴史

モントリオールはカナダ東部ケベック州に位置する人口約340万人のカナダ第2の都市。人口の80% をフランス系カナダ人が占め、州の公用語はフランス語です。しかしモントリオール市内にはイギリス系、ユダヤ系住民も多く、英仏バイリンガルが当たり前。フランス文化の影響が強く、落ち着いた美しい街並みは「北米のパリ」と呼ばれるほど欧風の雰囲気をたたえています。古くは五大湖に通じるセントローレンス川沿いの港を中心に、北米大陸とヨーロッパを結ぶ貿易(主に毛皮)の拠点として発展し、昔の繁栄ぶりを思わせる豪華な建物が数多く残っています。モントリオールの名前は先住民の言葉で「偉大な山」=「モン・レアル」(フランス語)に由来し、もともとはモントリオールのシンボルともいえる「モン・ロワイヤル」山の名前だったと言われています。

Maps courtesy of www.theodora.com/maps used and modified with permission
言語

仏語圏でありながら、フランス人との間で会話が成り立たないこともある程、独特の(昔風の)フランス語を話します。古い移民時代の表現を多く使うので、フランス人からみると時代錯誤な感じがするようです。日本語に例えるなら「ごきげんよう」と挨拶しているようなものでしょうか。モントリオール市内(特にダウンタウン)で英語が通じないことはほとんどなく、イヤな顔をされることもありません。Hello!の一言で相手は苦もなく英語に切り替えてくれるでしょう。モントリオーラーにとっては英仏バイリンガルでないと仕事にありつけないので、当然のように皆バイリンガルなのです。カナダ人の気質か、モントリオールが人種のモザイク都市であるためか、外国人のヘタクソ英語にも寛容に対応してくれます。仏系カナディアンの英語は確かに仏語訛りですが、意外と日本人には聴き取り易いようです。全体的にゆっくり話す会話のペースと、フランス人程は強い仏語訛を感じないからかもしれません。彼らの仏語は英語訛で、英語は仏語訛なのです。ただし、観光地以外のケベック州では、英語が通じないこともあります。

旧市街、ジャック・カルティエ広場(Place Jacques-Cartier)付近。

気候と時差

緯度で較べると、モントリオールは北海道よりやや北に位置し、気候も風土も北海道とよく似ています。夏と冬の寒暖の差が激しく、7〜8月には気温30度以上の真夏日が続くこともあります。この時期には半袖シャツに短パン、薄手の上着を一枚用意しておけば快適です。9月には気温も下がり初め、10月中旬には早くも紅葉の見頃となります。例年11月の初旬から中旬に初雪が降り、小春日和の日をはさむと、あっというまにホワイトクリスマスです。この頃には気温マイナス10度以下になる日が多くなり、1〜2月が最も寒い時期になります。雪の量はあまり多くなく、積もっても膝下ぐらいまでが普通。私が体験した一番寒かった日はマイナス28度でした。寒いというより、痛いという表現のほうがぴったりです。風が強い日は、体感気温はさらに下がります。普通の冬装備に加えて、耳を隠せる帽子、口元を覆えるマフラー、厚手の手袋、防水性のブーツなどが必需品です。3〜4月にかけて寒さが緩み始めると同時に、雪が解け始め、街は洪水のようになります。何よりも困るのは、解けた雪が夜間に凍り、街中が天然スケートリンクになってしまうこと。骨を折る人も多いので、靴選びには注意が必要です。5月に雪が降ることもありますが、さすがに長い長い冬も終わり、6月から7月にかけて一気に夏らしくなります。

モントリオールはNYと同じ東部標準時間です。日本との時差はマイナス14時間、夏時間実施時(通常、4月第一日曜日〜10月最終日曜日)はマイナス13時間になります。

旧市街、ノートルダム聖堂(Basilique Notre-Dame)内部。1829年に完成した北米最大の聖堂。

生活

物価はカナダの都市の中でも安く、日本の物価の2/3程度。市中心部のワンルームの家賃は月500ドル前後(日本円で4万円弱)(温水道代・暖房費込み)(2004年現在)。郊外、シェアなら300ドル台の部屋もたくさんあります。外食費に関しても驚くほど安く、ランチなら食後のコーヒーまで付いて、10ドル前後(チップ、税金込み)でお腹一杯おいしい物が食べられるお店も。そのかわり給料も安いので、日本に帰国するときの為替レートを考えると、私は恐ろしくて日本に帰れません(苦笑)。日本円を持ち込む場合は、リッチな気分が味わえます。

さすがフランス文化というべきか、外食産業が盛んで、食べ歩きに困ることはありません。市内には日本食材を買える店もあり、不満はあっても他の北米都市と比べれば、豊かな食生活を送ることができるでしょう。「デパナ」と呼ばれる日本で言うコンビニが街中にあり、夜11時頃まで開いているので日用品の買い出しにとても便利。メトロ(地下鉄)に直結した大型スーパー、モントリオール名物の大地下街など、冬でも街全体が生活し易いように設計されています。

市内の公共交通手段はメトロかバス。どちらも本数も多く夜遅くまで運行しています。駅もキレイで治安も良く、日本のような通勤ラッシュもありません。

全体的に治安は良く、路上や地下鉄、タクシーの治安は日本と同じレベルに考えて問題ないでしょう。ただし重大犯罪は多くありませんが、コソ泥的犯罪は多いので注意が必要。大事な物は「人目に付かない」ようにし、些細な物でも引き出しや物陰に隠して直接人の目に触れないようにしましょう。車の中に物を置くときはトランクに仕舞うか、必ず外から見えない位置に。強盗やひったくりといった身の危険がある犯罪は少なくても、空き巣や車上狙い、置き引き被害は多く、ノートパソコンなどには保険をかける人も少なくありません。

モントリオールから車で北へ約3時間、ケベックシティのシャトー・フロンテナック(Chateau Frontenac)。